錦織圭選手が欠場した全豪オープン2018。
アジアのトップ選手として注目されていたチョン・ヒョン選手(韓国)がロジャー・フェデラー選手との準決勝まで駒を進めましたが、残念ながら2セット目の途中で棄権しました。
足の裏のマメが悪化し、とてもプレーできる状況ではなかったそうです。
試合途中のメディカルタイムアウト時に診察したドクターによると、水ぶくれの中に水ぶくれができており、手の施しようがなかったとのことです。
準々決勝の元世界ランキング1位のN・ジョコビッチ戦では鎮痛剤が効いていたのですが、今回は鎮痛剤も効かないほどひどい状態だったそうです。
4大大会の準決勝は、誰でも辿り着けるものではありません。もしかしたら生涯で最後の舞台かもしれません。
そんな中、主審に棄権を申し入れるのは、とても無念だったことでしょう。
しかしチョン・ヒョン選手は試合後のインタビューでこう述べています。
「2週間、素晴らしいプレーができた。初めて4回戦、準々決勝、準決勝と勝ち進み、サーシャ(ズベレフ)、ノバク、ロジャーとプレーした。素晴らしい経験ができた。これからもっといいプレーができるようになると思う」
準決勝敗退とはいえ、4大大会のベスト4という素晴らしい結果を残したことには違いありません。
チョン・ヒョン選手は大きな自信を手に入れたようです。
準々決勝後のインタビューで同じアジア人の錦織圭選手について聞かれた際にこう答えています。
「錦織圭選手がアジア人としてトップ10に入ったので、僕たちアジアの選手は皆、錦織選手を目指し、一生懸命追いかけている。彼はアジアの誇りです」
長年、体格に劣るアジア人男性はテニスに向かないと思われてきました。
どう頑張っても世界ランキング40位前後より上にはいけないと。
しかし錦織圭選手が世界ランキング4位を記録し、それに刺激されたチョン・ヒョン選手が今回大きな結果を残しました。
もう「アジア人だから」という足枷は外れました。
この2人はもちろん、この2人の活躍に刺激を受けた若い世代が、これから活躍してくれることを期待しています。