テニスの上達には自分のプレーを客観的に評価することが必要だと思いますが、アマチュアプレーヤーにとってはプロのような環境を用意することは不可能です。
今回はこれまでで最も気軽に使用できるテニスセンサー「バボラPOP」について書かせていただきます。
テニスセンサーとは何か
テニスセンサーとは大雑把に言うと、各ショットのスピードや動きの滑らかさ等を数値化する電子機器です。
テニスセンサーの代表的なものに、ソニーの「スマートテニスセンサー」があります。かなり多機能で素晴らしいセンサーなのですが、ちょっとお高い(約2万円ぐらい)うえに、2時間持たない程度の小さなバッテリー容量。そしてショットの衝撃の影響で壊れやすいという評判があります。
しかも「スマートテニスセンサー」はバボラのラケットに装着することはできません(泣)。なぜならバボラは「バボラPlay」というセンサーが組み込まれたラケットを発売しているからです。
そして「バボラPlay」もお高いうえにラケットに固定されているので、ラケットを新調するとセンサーは使えなくなります。さらにセンサーを修理に出した場合、修理が終わるまでラケットを使うことができない状態になります。
上記理由からテニスセンサーの購入をためらっていたところ、2017年2月にバボラからリストバンド型の「バボラPOP」が発売されました。
バボラPOPとは何か
バボラPOPは手首に装着するリストバンド型テニスセンサーです。バボラがプロモーションビデオを制作しているので、ご覧ください。
手首に装着してプレイすることで、9軸のセンサーが各ショットの分析を行いデータを蓄積します。そのデータをスマートフォンにワイヤレスで転送することで、数値化されたデータを確認できます。
データはグラフなどで表示されるので非常にわかりやすく、自分がどんなショットをどんな割合で打っているのかを簡単に知ることができます。
バボラPOPアプリについて
バボラPOPアプリは無償で提供されているのでダウンロードしてインストールします。
それでは各メニューについて説明します。
ダッシュボード
トップページにもなっているダッシュボードでは、試合の勝敗、練習や試合をした回数、ショット数、プレー時間、過去6ヶ月の統計データを確認できます。
私は少し前まで肘を痛めてテニスを休んでいたので、ショット数やプレー時間がやたら少なくなっています(泣)。
PIQスコア
「PIQスコア」はショットのスピード、スピン、スタイルから算出されるバボラPOP独自の指標です。
ここで言うスピードとはヘッドスピードのこと、スピンとは手首の上下動の速度、スタイルはフォームの滑らかさから算出されています。
各ポイントの上限値は3333ポイントで3つの指標の最大合計値は9999ポイントとなります。
この最大値はプロ選手レベルとのことなので、自分とプロ選手の違いを大まかに知ることが出来ます。
アクティビティ
アクティビティのページでは各セッション(試合や練習)ごとの評価や、これまでの全てのプレー情報を知ることができます。
評価とはバボラPOPによるコメントです。いつも2つ褒めて1つダメ出しされます。
これまでの全てのプレー情報とは各ショット数(フォアハンド、バックハンド、サーブ、スマッシュ、ボレー)の内訳、ストローク(フラット、スライス、トップスピン)の内訳とヘッドスピードの最大値と平均値、サーブのラケットスピードの最大値と平均などを表示できます。
スキル
8段階のレベルがあり、ショット数を重ねることでレベルアップしていきます。この記事を書いた時点で私は「SUPERSTAR」という素敵な名前のレベルにいます。
レベルごとに各ショットの必要値があるのですが、例えば上の画像だとサーブが他のショットに比べて少ないことが分かります。このまま打たないでいると、他のショットが必要値を満たしていたとしてもずっとレベルアップできません。
そんな時は素振りで対応しましょう(笑)。
チャレンジ
これはバボラPOPを持っている人同士で対戦する機能です。私は使ったことがない機能ですが、テニスでは勝てなくても、このチャレンジでは勝てることがあるかもしれません。
ジュニアや学生さんが楽しめそうな機能ですね。
コミュニティ
ここでは「バボラPOP」と「バボラPlay」ユーザー間での世界ランキングを知ることが出来ます。月初めに全てリセットされるので、月初めに頑張れば瞬間最大風速的な世界ランク一位を狙うことも可能です(笑)。
なお上記画像は1日のものなのでポイントがゼロになっています。そのためランキングは43107位になっています。
逆に言うと43000人以上のユーザーがいるということなので、思ったより多くの人が楽しんでいるんだなという印象です。
設定
ここで自分のプロフィールやスピードの単位を設定します。プロフィールにはアイコンや名前や居住地などを入力するのですが、上記の世界ランキングで表示される内容となります。
たまにプロ選手っぽい名前を使って楽しんでいる人もいますので、思いっきりふざけちゃっても良いかもしれませんね。
バボラPOPで出来ないこと
とても楽しいバボラPOPですが、出来ないこともあります。
それは打ったボールの速度と回転量、ラケットの面のどこにボールが当たっているか(ボールヒットエリア)の分析とサーブの球種の分析、そしてビデオと連動したプレーの分析です。
残念ながらこれらのことは出来ません。
予備のリストバンドを同時購入がおすすめ
最初から付属しているバンドは生地が厚めでちょっと目立つので、予備のリストバンドの同時購入をおすすめします。
なお私は手首に巻いたままラケットバッグを背負ったら引っかかってしまい、こんなことになってしまいました(泣)。
予備のリストバンドは生地が薄く、しっかりとした素材を使用しているので、多少引っかかったぐらいでは大丈夫そうです。
まとめ
出来ないこともある「バボラPOP」ですが、手首に巻くだけという手軽さと引き換えだと思えば十分に機能的なセンサーだと思います。
日々のショット数の積み重ねを数字で見られるだけでも自信につながりますし、練習や試合ごとにコメントをくれるのが楽しいです。
私の場合は練習と試合でスイングスピードが大きく異なることが分かりました。頭ではわかっていましたが数値で見ることで意識が変わりました。
試合のスイングスピードを練習レベルに近づけていくのが今後の課題の1つです。
「バボラPOP」はテニスを始めて年数が経った人にこそ使って欲しいアイテムです。だいたい「自分はこんなもんだ」とマンネリ化してしまうのですが、テニスを始めた頃のワクワク感を取り戻すことが出来ます。
つまりテニスに対するモチベーションを高めてくれるのです。
価格も1万円ちょっとぐらいなので、他のテニスセンサーに比べるとかなりお安いです。
バッテリーは限界まで試していませんが、おそらく10時間程度は持つと思います。
自分のプレーを分析してさらに上達したい方や、ちょっとマンネリ気味な方におすすめできるアイテムです!